1.就業規則のメリット・デメリット
(1)就業規則のメリット@:職場のトラブル防止に役立つ
就業規則を作成する最大のメリットは、職場のトラブル防止に役立つことです。
働くルールを明文化しておくことで、不要なトラブルの防止につながります(有休の申請をいつまでに行うか等)。
また、仮に社員が問題を起こした場合でも、就業規則に規定があれば、懲戒処分などの処分をすることができます。
(2)就業規則のメリットA:残業代等の経費削減ができる
労働基準法では、1日の法定労働時間を8時間とし、これを超える時間労働させると、時間外労働として割増賃金(25%以上)の支払が求められます。
しかし、変形労働時間制を採用すると、この割増賃金が不要になることがあります。
こうして、いわば残業代を減らすことができますが、この変形労働時間制を採用するには、就業規則等の定めが必要になりますので、やはりルールとして就業規則を作成しておくことはメリットになる思います。
(3)就業規則のメリットB:雇用関係助成金の申請ができる
現在多くの助成金がありますが、これらを申請するに当たっては、就業規則の提出が求められることがほとんどです。
「就業規則がないので申請できなかった」や「就業規則の規定に不備があるので受給できなかった」などは本当によくあります。適切な就業規則を作成しておくことで助成金を活用できる可能性がありますので、これもメリットですね。
逆に、以下のようなデメリットも考えられます。
(1)就業規則のデメリット@:作成が面倒くさい、お金がかかる
これは大きいですね。「就業規則とは何ぞや」から始まって、「就業規則の記載事項」などを勉強しないといけません。そこから文字に起こして、「こんな場合はどうしよう」など、様々考えることがあります。
また、専門家にお願いしても、まあまあなお金が必要なので、なかなか取り組みにくいのではないかと思います。
(2)就業規則のデメリットA:従業員への周知が難しい
就業規則は、作成して終わり、ではありません。従業員に周知させる必要があります。
きちんと説明しないと結局トラブルの元になりますので、丁寧な説明が必要です。
法律用語も出てきますし、「こんな場合はどう?あんな場合はどう?」と様々な質問が出てくる可能性がありますので、その対応が結構難しいと思います。
(3)就業規則のデメリットB:定期的な見直しが必要
毎年のように労働法は改正があります。ですので、それを踏まえた就業規則の変更も必要になります。
就業規則は、一度作って終わりではなく、見直しを続けることも必要になってきます(当然、周知も必要です)。
以上が、メリット・デメリットになるでしょうか。
やはり、企業の発展を考えた場合、規律と秩序は非常に重要になると思います。また、従業員の方も明確なルールに基づいた職場ですと安心して働けるのではと思います。
ここで一度、自社の就業規則を確認して頂くのをオススメ致します!